北嶋勇の心霊事件簿～第三巻～

いない北嶋！！

北嶋「だから言ったろうオッサン。もう金を入れるのは止めろ。｣

丸本なる者は勇をギロッと睨み付け

丸本「だから！！お前にとやかく言われる事は無いんだよ！！俺はこのイベントに掛けてんだよ！！｣

金をサンドに入れようとする丸本。

北嶋「だから金が尽きたら自殺する、か？｣

手がピタリと止まる。

そしてゆっくりと勇に顔を向ける。

丸本「・・・・・・なんで・・・・？｣

顔色が真っ青になり、手がカタカタと震え出す。

北嶋「聞いたからだ。｣

丸本「・・・・だ、誰に・・・・？｣

北嶋「オッサンの女房にだ。｣

勢いよく立ち上がる丸本。

勇に指差して怒鳴る！！

丸本「俺の女房は去年脳梗塞で死んじまったんだよ！！その女房に何故聞けるんだ！！｣

周りがざわめき、勇等に視線を注ぐ。

勇はぐるんと周りを睨み付ける。

視線を注いた連中は、その視線を外して知らぬ顔をする。

北嶋「オッサンの背中に泣きながらおぶさっているんだよ。｣

蒼白になり、足がガクガクと震える丸本。

立っていられず、そのまま椅子に座り込んだ。