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―――それで、ヒヒイロカネの持ち主は解ったのか?
妾はいなり寿司をムシャムシャと食べながら聞く。
北嶋「途中で視るの止めたから知らねー。」
―――何故だ?
北嶋「だから鏡を使うと情報多過ぎるんだよ!!いらない手前増えるだろ!!」
そう言いながら丸本の女房を睨み付ける勇。
女房はひたすら土下座をしている。
北嶋「今日はあれで済んだがな、このオッサンは働く気が無いんだ。いずれまた、自殺まで追い込まれるぞ。」
女房は泣きながら何度も何度も頭を下げた。
北嶋「だからぁ!!俺の管轄外だってば!!仕事は自分で探すものだ。勤労意欲は自分で絞り出すものだよ!!」
自分が死んでから、全く働かずに自堕落になっている夫を案じて成仏できぬ女房・・・・
何とか働かせるよう、勇に頼んでいるのだ。
北嶋「ヒヒイロカネと引き換えに、今日は助けたが、本当ならヒヒイロカネも要らないんだよ俺はっ!!」
そう言って鼾を掻きながら寝入っている丸本にビールの空き缶を投げ付ける。
北嶋「俺は職安でもボランティアでも無いんだよ!!」
それでも此処に留まる決意をした勇。
何だかんだと言って、甘い所がある。
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