いない北嶋!!

21/21
前へ
/943ページ
次へ
丸本「お、お前はこの町に仕事をしに来た、と言ってたな?」 北嶋「じゃなきゃ、来るような町じゃないだろう。」 丸本「そ、その仕事は案内が必要か?」 案内・・・・ タマが言うには、千堂に憑いていた男が事件の鍵だ。 千堂はソイツをどうにかして調べるだろう。 そしてあの鉱山・・・・ このオッサンは元鉱山勤めだ。 そして長年、この町で暮らしている。 おかしな噂くらいは耳にしている筈だ。 北嶋「案内も確かに必要だ。そしてこの町の情報もな。」 オッサンはニカリと笑う。 丸本「俺はこう見えて顔が広いぜ。勿論、地元だから隅から隅まで案内もできる。」 北嶋「顔が広いって、いい歳こいて、毎日パチンコで負けて借金まみれだ。オッサンが知らなくても、オッサンを知ってる奴は沢山いるだろうさ。」 下手な自慢で自爆し、うなだれるオッサン・・・・ 俺は鏡を掛ける。 北嶋「352番台だ。」 丸本「え?」 顔を上げるオッサン。 北嶋「閉店したら、直ぐ帰ってこい。オッサンの案内を対価としてやる。」 オッサンはパアアアアっと明るくなった表情をし、そのままダッシュで家を出た。
/943ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46475人が本棚に入れています
本棚に追加