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丸本「お、お前はこの町に仕事をしに来た、と言ってたな?」
北嶋「じゃなきゃ、来るような町じゃないだろう。」
丸本「そ、その仕事は案内が必要か?」
案内・・・・
タマが言うには、千堂に憑いていた男が事件の鍵だ。
千堂はソイツをどうにかして調べるだろう。
そしてあの鉱山・・・・
このオッサンは元鉱山勤めだ。
そして長年、この町で暮らしている。
おかしな噂くらいは耳にしている筈だ。
北嶋「案内も確かに必要だ。そしてこの町の情報もな。」
オッサンはニカリと笑う。
丸本「俺はこう見えて顔が広いぜ。勿論、地元だから隅から隅まで案内もできる。」
北嶋「顔が広いって、いい歳こいて、毎日パチンコで負けて借金まみれだ。オッサンが知らなくても、オッサンを知ってる奴は沢山いるだろうさ。」
下手な自慢で自爆し、うなだれるオッサン・・・・
俺は鏡を掛ける。
北嶋「352番台だ。」
丸本「え?」
顔を上げるオッサン。
北嶋「閉店したら、直ぐ帰ってこい。オッサンの案内を対価としてやる。」
オッサンはパアアアアっと明るくなった表情をし、そのままダッシュで家を出た。
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