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「ここで話をしているのも何だし、中に入りましょう。そうだ、空ちゃんの部屋もあるのよ。きっと気に入るわぁ、案内するわね! ……ボスさんと魂太郎さんはどうします?」
「私はもう帰らないと……コンちゃんはどうするの?」
「え……じゃあ、オレも帰ります。空ちゃん、元気でな! また様子見に来るから!」
空ちゃんは下を向いたまま、カエデさんに手を引かれて行った。
何となくその背中からは寂しさが感じられる。
オレとボスは車に乗り、来た道を戻っていく。車の中も何となく暗い雰囲気になってしまう。そんな時、ボスが口を開いた。
「カエデちゃんなら大丈夫よ、きっとすぐに空ちゃんも心を開くわ」
「そう……ですよね」
口ではそう言っているが、内では何となく胸の奥でモヤモヤするような、そんな感じになっていた。
そのまま家に帰り、特にすることも無くいつものように家で休日を過ごした。
空ちゃん……大丈夫かな、ちゃんとあの環境に慣れるかな……
寝る時もそんな事ばっかりを考えていた。
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