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悶々と自問自答していたら空ちゃんが駆け寄って来た。よほど凄い部屋になったのか、目をこれでもかとキラキラさせている。
「カエデさん凄いんだよ! お部屋が見違えるほどかわいくなったの、魂太郎さんも見てよ~」
「わ、わかったから引っ張らないで……どれどれ」
何と言うことでしょう。先ほどの色気の全くない部屋だったのが一変、バラエティー豊富なたくさんのヌイグルミや小さなガラスビンなどの可愛いらしい小物も置かれて、部屋のほとんどがピンクや黄色で彩られた絶妙なハーモニー。
「こ、こいつはすげぇや」
「ふふふ、空ちゃんも喜んでくれたみたいで、腕をふるった甲斐がありましたわ」
「えへへ~ここが今日からボクの部屋だ~」
そう言うとフカフカのベッドにダイブ! オレもダイブしたい!
「じゃあ、私ができるのはこれぐらいです。そろそろおいとましましょう」
「え? 帰っちゃうんですか?」
「はい、屋敷の方でもやることはありますからね。空ちゃん、魂太郎さんと仲良くね」
「うん! カエデさんホントにありがとう! またお料理食べさせてね!」
空ちゃんの言葉に笑顔で答えると、またどこから出て来たのかスーツに身を包んだ兄さんと帰っていってしまった。
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