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それからしばらくすると、他の社員達も出勤して来て、帰るきっかけを失った私は、仕方なく仕事を始める。
私が勤めてるのは小さな事務所。
社長と、社長のお姉さん(専務)、と社員が3人、計5人のアットホームな所。
社長は今年35歳の独身。
あとの社員さん達もみんな同年代で、結構仕事もしやすい環境。
社長以外は皆既婚者で、社長としてはみんなと毎日でも飲みに行きたいらしいのだけど、なかなかそんな風にはいかないらしく、寂しいらしい(笑)
「今日金曜日だよな~~~。みんな久しぶりに飲みに行かないか??」
何の前触れもなく社長が言った。
「溝口さんそう言って先週も飲みに行ったじゃないですか~~~」
「そうだったか??まあ、いいじゃないか。」
「明日、クライアントと会う予定があるので無理ですよ~~~」
他の社員さんにあっさり断られ、社長は私の肩をポンポンと叩いた。
「近藤さーん。たまには一緒に行こうか?いつも旦那さんがいるからっていうけど、たまにはいいんじゃなの??」
社長はニコニコしているがそれはもう、強制に近いような・・・。
え~~~~めんどくさ。
それでなくても相方の事で気がめいっているのに・・・・・。
「断ります」
きっぱりと社長に言ってやった。
「ケチだなお前は」
「ケチで結構です」
社長の顔も見ずにそのまま仕事へ没頭した。
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