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黙々と始まった清掃を見た後に再び客との会話、テーブルからカウンターを行ったり来たり。
やっとのことで閉店時間、疲れたが稼ぎは十分。
「もう掃除は良いわよ、何か食べてく?」
「いや、帰る」
「どうせ帰ってもご飯食べないんだから食べてくって言いなさいよ」
「だったら最初から質問しないで食べてけと言えば良いだろ」
「妥協って知ってる?お互いに譲り合う事」
「だから何だ」
「・・・もう良いわよ、何でも良いから座りなさい。今作ってあげるから」
カウンター席に座って十分弱、オムレツと鴨肉のワイン煮込みが湯気を立てて差し出された。
「どうぞ」
見たところオムレツは相当な出来映えである、鴨肉はレストランで出されても良いぐらいだ。
「鴨肉のは貰いものだけど、最近オムレツ作りにこっちゃって」
「食べてくれる奴が居ないから俺で腕試しか」
「さ、流石ね。洞察力には恐れ入るわ」
「まぁ・・・、美味いと思う」
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