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一年前の春、俺と和彦はまだつるんではいなかった。
いや…
正確には敵同士だった!
あの頃は政志と隆三のグループ、和彦のグループ、そして俺の三つの勢力がこの学校の二年を占めるか争っていた。
俺はまず政志と隆三を一人ずつ倒した。
この二人はたいしたことはないと思っていたからだ。
だが意外と強かった。
政志とは裏庭でタバコを吸っているときに政志の方からやりに来た。
貴、やりにきたぜ…
やつはそう言って俺の前に立っていた。
俺はタバコを捨てて立ち上がると政志と向かい合った。
数分後、政志は俺の足元に崩れ落ちた。
次の日、政志の仇をとりにきた隆三を屋上で倒した。
それまでざわついていた見物人が急に静かになった。
そっちを見ると和彦が立っていた。
俺達は黙って睨み合った…。
次の日から校内は俺と和彦がいつ勝負するのかという話題で持ち切りになった。
俺は自分の教室で外を眺めていた…
それまで騒がしかった教室が急に静かになった…
和彦が来たと思った俺は静かに振り返った。
だがそこにいたのは三年で番を張っている鈴木だった。
貴、ちょっと来い…
俺は鈴木の方歩き出した。
鈴木の後ろには和彦が立っていた…
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