1.電話

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変わりたい。 何度同じことを思ったのだろう。 自分の顔を見る度そう思う。 可愛くなれたら…可愛くなれたら…。 でも叶わない。 顔なんてそう簡単に変われない。 ミシッ。 あたしは自分の顔が写る鏡を殴った。 もろい鏡はすぐに罅(ひび)が入り、あたしの顔を歪ませた。 こんな顔…消えてしまえば―― トゥルルル……トゥルルル…… 電話だ…。誰からだろう。 あたしは階段を下りてダイニングへ。 トゥルルル……トゥルルル…… 部屋で鳴り響く音を納めようと受話器を取った。 「はい、結城です」 『………』 「?…もしもし?」 『………』 何なの?イタズラ電話? 受話器を置こうと手を下ろした。
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