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ピンポーン。
今度は何?
ガチャリと受話器を置いて玄関へ向かう。
扉を開けると見慣れた男の人が立っていた。
「よ!!おばさんいるか?」
「何だ~。冬馬(とうま)か~。お母さんいないけど」
「何だって何だよ…」
不機嫌そうにあたしを睨むのは幼なじみの冬馬。
あたしの家の前に冬馬の家があって、よくお母さんは遊びに行っているらしい。
「ま、小さい事は気にしない~。それでお母さんまたなんか忘れ物したの?」
「いや、母さんがこれやってこいってさ」
冬馬は白いビニール袋を差し出した。
あたしは取り上げて中を見るとでっかいバームクウヘンが……。
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