1.電話

3/18
前へ
/202ページ
次へ
ピンポーン。 今度は何? ガチャリと受話器を置いて玄関へ向かう。 扉を開けると見慣れた男の人が立っていた。 「よ!!おばさんいるか?」 「何だ~。冬馬(とうま)か~。お母さんいないけど」 「何だって何だよ…」 不機嫌そうにあたしを睨むのは幼なじみの冬馬。 あたしの家の前に冬馬の家があって、よくお母さんは遊びに行っているらしい。 「ま、小さい事は気にしない~。それでお母さんまたなんか忘れ物したの?」 「いや、母さんがこれやってこいってさ」 冬馬は白いビニール袋を差し出した。 あたしは取り上げて中を見るとでっかいバームクウヘンが……。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加