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「それ、母さんがお土産だってさ」
「うん。ありがとうって言っておいて。あのさ…」
話を進めようと冬馬を見上げると何やらそわそわしていた。
視線を彼の背後にやると門の前に金髪の女の子がいる。まさか……。
「ごめん。アイツが待ってるから。じゃな」
「あ、うん…ごめん…」
振り向き際に冬馬はこっちをチラリと見たが、すぐに向き直して女の子へ歩き出した。
揺れる背中を見送ってあたしは扉を閉めた。
「とーま!!誰なの?あの女…」
金髪の女の子の声が聞こえた。
「ん?」と優しく聞き返す冬馬は笑いながら答えた。
「ただの近所の子。マジキメぇから話したくねーんだよな……」
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