優しい小アジのフライ

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玄関で足を止め、目を伏せ、無言の僕に母は言いました。 「今日は小アジのフライだよ、早く入んな。」 母はためらいもなく 何事も無かったように優しく僕に言いました。 僕はあの日の事を忘れる事は無いでしょう。 あの日の小アジのフライより美味しい料理はきっと味わう事は無いのかも知れません。
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