第一章 契約

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 街には沢山の人が溢れていて、年末の騒がしい雰囲気に満ちていた。    雑踏の中には、会社帰りの疲れきったサラリーマンや、サンタクロースの格好をしたバイトの女性、そしてたくさんの恋人がいて、皆足早に歩いている。    その中のスーツを着た男は、時折小さな紙へ視線を落とし、周りを見回しながら歩いていた。  どうやらどこかを探しているようだ。  男はしばらく歩き回り、 「あそこだ」 そう小さく呟いて、小さなお店へ足を進めた。
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