プロローグ

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俺は何かが得意なわけでもなく、他の誰より何かが優れてるわけでもない取り柄も見当たらずの平々凡々な学生だと思う。 それは自分だけじゃなく周りだって認める周知の事実で、クラスでだって中立の位置をキープしている。 敢えて得意なことと聞かれれば、空想と捏造、嘘をつく事が俺の“長所”なんじゃないだろうか。 何をやっても人並みにしかできないし、もとより高みに登ろうとする熱もない。 野球をやって甲子園にいきたいだとか、サッカーで全国へ! なんてのは、熱意や才能がある人達に任せよう。 俺はただ、変化に乏しい日常に埋没していくだけでいい。 そうして今日もただ平凡に俺こと物部 承の一日が始まっていく。
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