記憶

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カッターを掴み、刃を出しながらこっちを見てる父に恐怖でいっぱいになった。 止めて!!って母が叫んでる。 でも、母は姉を抱きしめ動けず。 あぁ・・・ 死ぬのかな?って諦めた時、 頭の中で、声が響いた。 【駄目だよ。】 幼い声なのに、冷静で落ち着いていて。 固まってる私に、父は自分の腕を見せ、 「大丈夫。ここを深く切れば直ぐに死ねるから。」 手首をカッターで切る振りをして言う。 【駄目っ!!】 私は父にまた土下座して言った 「それ以外なら何でもしますから!」って でも、父は 「さっき何でもするから赦して下さいって言ったよな?だから死ねよ。」 もう衝撃的で、そのあとどうなったから覚えてない。 でも、凄く怖かったのは覚えてる。 この日、私の生涯消えない傷になった日 そして、私の中に彼女が現れた日だった。
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