桜の木の下で・・・

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・・・この高校、七不思議とかそういった類のやつなかったよな? 一年ぐらいここにいるが、そんなのは聞いたことはない。あったら篠浦あたりが仕入れてクラス中に広まっているはずだ。 そういや篠浦たちはこのこと、なんも気にしなかったのか?教室にいないということは、その可能性が高い。 一人で思い悩んで、バカらしいといえばバカらしいが、気になったんだから仕方ない。 さて、なんだったのやら、あれは・・・ 心臓がバクバク言って危険だと警告しているが、それでも俺は進む。好奇心に誘われてしまっているのだ。 どちにしろ確認しに行くだけだ。魔物退治しに行くわけじゃない。とっとと行って、とっとと帰ってくればいいだけの話だ。 そう思えば、恐怖心がだいぶ薄れてきた。 大丈夫。それにここは学校だ。何かあってもすぐ人が来る。 ・・・何もないことを祈るが。 そこを曲がれば、裏庭に着く。なんの変哲もない、いつもの風景が広がっているはずだ。 いざ曲がろうとすると、また恐怖心が戻ってきたが、のぞき見ることはせず、大胆に曲がっていった。
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