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で、桜の木の下に行くと。
このくそ寒い中、レジャーシートが敷かれたその上は、なんというか違う世界になっていた。甘い匂いが漂っていた。
俺はその空気に恐れおののき、一歩も動けずにいたが、真崎は何も気にせず、ふつうにその中に入っていく。
・・・すげえ・・・
俺は今までこれほど人を尊敬したことはない。あんなこと、俺には絶対無理だ。
「何やってんの、神城!はよ来いよ!」
さっきから約一名だとかあいつだとか呼んでいた篠浦裕人(シノウラヒロト)の声で我に返る。その場で立ち尽くしていたのだ。
仕方なく、頭をかきながらレジャーシートのところに行く。
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