対人間用殺戮兵器

4/10
前へ
/24ページ
次へ
02はちらりと03の足元を見て左目の黄緑を細めた。 そしてからかうように言った。 「よかったね。この雨だから刀についた血が目立たない」 クス、と笑った02を軽く03は睨んだ。 03が右手に握る刀が、03の握る力に合わせて音を鳴らした。 左目の紫を細めて02を強く睨む。 「………01…モデルは?」 「……いつもの部屋だよ」 03の問いに、02は苦笑しながら答えた。 困ったように眉をひそめる02に03はため息をつく。 『モデル』 それはその名の通り『殺戮兵器』たちの原型。 モデルは元は人間。 そのモデルから02以降の『殺戮兵器』が生まれた。 同じ者がこの世に『五体』 一人しかいらないはずの者が五つもいると存在意義が曖昧になる。 何度「モデルさえいなければ」と思ったことだろう。 03は常に思う。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加