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夢中になり唇をすり合わせ合い、どれだけの時間が経ったのだろう。
達彦は、廊下に響く足音を聞いた。
『慎吉!ヤバいぞ!
すぐに服を着よう!』
あわてて服を着て、カッターシャツのボタンを締め終えたと同時に、理科準備室のドアが開いた。
『遅くまで頑張ってるな。写真は焼けたかい?』
顧問の石田先生だ。
『はい、もう乾燥が終わりますので、明日パネル貼りしようと思います。』
石田先生は洗濯バサミで吊り下げられた写真を見て、満足そうにうなづいた。
『今日はもう閉めるから、家に帰りなさい。
明日は、先生来れないんで職員室で鍵借りて、ここ使って良いからね。』
『はい!』
達彦と慎吉の返事がハモった。
達彦は慎吉を見つめ
『明日も手伝ってくれるのか?』
『もちろん!offcourse!先輩。』
『2人とも気を付けて帰りなさい』
達彦と慎吉は暮れなずむ街をそれぞれの帰路についた。
煮えたぎる想いを胸に…。
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