日曜日の学校

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午前9時、達彦と慎吉は学校の近くのパン屋で落ち合った。 昼飯用のパンとテトラパックのコーヒー牛乳をカバンに詰め込んで、2人は学校へ向かった。 職員室で理科室の鍵を借りて、写真部の部室である準備室へと入って行った。 2人の間には会話はほとんど交わされず、互いの目を合わせる事でさえままならなかった。 目を合わせたら、昨日の続きが始まりそうで… でも、その続きってどうするのだろう… あの行為に終わりはあるのだろうか。 達彦は、男女の交わりも未経験だ。 ましてや男同士、… 達彦の妄想を慎吉の声が打ち破った。 『先輩。昨日撮影したフィルムありますか?』 『ああ、カメラに入ってる。』 達彦は今日初めて慎吉の目を見た。 『出来あがりを早く見たいです。』 慎吉の声の響きは、達彦の体の表面を微粒子の振動するように震わせ、鼻の奥がツンとなる甘酸っぱさと共に鼓膜に伝わった。 達彦は愛用機SRT-101の下のカバーを外し、フィルム巻き上げ時のフリーボタンを押して、ハンドルを回しフィルムを巻き取った。 『今日の仕事は、これの現像からだ。液作ってくれ。俺は現像用リールにネガを巻くから。』 『はい。』 用事を言い付けられた慎吉は、弾むように答え仕事に取りかかった。
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