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達彦の気持ちは、刑の執行を猶予された被告人のようだった。
仕事が終われば…
二人はどうなるのか…
行き着く所はどこなのか…
障子張り用の糊をハケで水に溶かしながら、達彦は再び妄想の世界の扉を少し開き中を窺っていた。
写真が斜めにならないように、空気が中に入らないように、細心の注意を施しパネル貼りは完成した。
『慎吉、ありがとう。キレイに貼れたよ。』
『じゃあ、例の写真の下焼きしましょう。』
慎吉は、目を輝かせ暗室に入って行った。
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