七月七日 (3)

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──街っぽい場所に着いた。 家がたくさんあって 人がいっぱいいて それでいて何故か活気に満ちている場所に着いた。 自分としては嬉しい限りだ。 オレと同じくらいの少年が危ないところを助けられたし、さりげなくを装って案内を頼めたし、ついでに住居も用意してもらおうとも思っていた。 だが今は喜ぶ事が出来ない。 …何故かって? 簡単さ。 「…ここはどこだろうか」 道に迷ってしまったからさ! いつの間にかオレの前を歩いていたはずのフェイとやらがいない。 そういえば彼は兵士のような格好をしていたし…適当に。 「お城でも目指すかな?」 歩きだしてみ… 「きゃっ」 「?」 …る前に何かがぶつかってきた 「うぅ、すみませ…あ!」 ぶつかってきたのは小さな男の子…オレを見るなり目を剥いて、 「新しいへいたいさんだ~」 「は?」 急な展開を告げてきた。 兵隊? 「早くおしろに行ってあげなよ!フェイが待ってたよ?」 それだけ言うと去っていった。 …言われた通り、とりあえずは城を目指そう。 オレは若干早歩きで遠くからでも見える城へ向かった。
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