七月七日 (3)

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「お~い、キョースケ~」 遠くからでも分かる。 フェイだ。 小さな男の子にも呼び捨てにされていたし、多分いい性格をしているんだろう。 「ごめん、キミはこの街に慣れてなかったね。」 「…いいさ」 …展開が急過ぎないか? 「ちなみに新しい兵隊ってのはどういう…」 「あ~…言いにくい事なんだけどね…」 「ん?」 「僕はこの街…ッていうかこの国の兵なんだ」 「…」 「さっき、僕以外の兵隊が見当たらないって言ったよね?」 「……」 「あはは。」 …まさか… 「───全滅しちゃった…城の警備についてた衛兵以外。」 「………それで?」 「キミを引き抜きたいんだ。」 あぁ、オレは一体何がしたいんだろうか… 「キミはどこかの国に属しているのかい?」 「…いや、これといって…」 …知らねぇし。 「良かった。じゃあ、行こうか、こっち。着いてき…」 「いや待て、待って、どこに行くの?」 「決まってるじゃないか!」 …彼(フェイ)は何が嬉しいのか、ニッコリ笑って言った。 「姫さまの所さ!報告にね!」
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