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──ここがどこだかが分からない
だが、どういう場所かは知っている…
一言で表すなら、『牢屋』。
…こちらの都合を考えず、自分の都合で喚び出しては好き勝手に使役して、また牢屋に繋ぐ。
…それが、召喚師。
…一度喚び出されれば否応なしに繋がれる、そんな召喚師を、私は嫌っていた。
──何故あの時?
…召喚は時と場所を選ばない。最適なモノがあればそれを問答無用で引き寄せる。
…そのせいで─
──私の“封印”を解いてくれた最愛のあの方に、感謝する事すら出来なかった。
…私が見たのはほんのわずか…
黒い服
黒い髪
鋭い瞳
そしてあろうことか、私を戒めていた封具(ほうぐ)を自ら使役している。
…次に会えたら、絶対に傍を離れないと誓う。
「…お姉ちゃん、暗いよ…」
「ゴメンね、私のせいで…」
「お姉ちゃんのせいじゃないよ。悪いのはお姉ちゃんを欲しがる悪い人だから」
…妹にまでこんな苦しみを強いる召喚師を私は許せない。
「…あのお兄ちゃんだったら、きっとこんな事はしないのに」
「…そうね。」
…もう一度だけでも会いたい…あの黒い彼に…
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