七月八日 ~プロローグ~

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──冷たい水。 早朝、僕は起きて支度を始めた。  『魔王の処刑が早まった。』 本来ならば決定事項が変更になる事は無い。 だけど僕にはこの事態について思い当たる節がいくつかある。 一つは“死神”の封印が解かれた事。 昨日の戦場のすぐ近くの洞窟内、封印されているはずの死神がいなかった。 封具も残されていなかったらしい 二つ目は、魔王姫セリアの腹心がいる、との噂がある事だ。 魔王自ら公開したらしい。 その名前は生拒否の王という… …読み方は忘れてしまったが… とにかく、偶然とは思えない。今から出発しても余裕で時間が余るし、何か暇だ。 …そう言えば。 キョースケは起きているだろうか?もし起きていなかったら起こしてあげよう。 僕は兵舎の一室に向かって歩いていった。
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