奇跡はあった

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それはそれは奇跡に近い再会。 死んだ筈の涼子が目の前に居る。 泣きながら… 「聞いているんですか命様!」 「ぅっ……ごめんなさい」 「大体貴女は迂闊過ぎるんですよ! 希望さんに近付くなんて事さえしなければこんなややこしい事には」 そう言って頭を抱える男は俺を指差し 「大体このチャラ男のどこが優しくて生真面目なんですか!?」 と失礼な事を言う始末。 「だ…だってぇ…昔はもっと賢そうだったし」 「金髪ですよこの人!もうすぐ40なのに!」 「でもカッコイイし」 「顔に騙されないで下さい!」 何とも失礼な奴等だ… 「でも、優しいし」 「優しい人が服装を貶しますか!?」 「でもカッコイイし」 「どうみてもおっさんでしょう?」 おっさんとは無礼な奴だ。 「でもカッコイイし」 「貴女目が腐ってるんじゃないですか!?」 「でもカッコイイし」 「頭おかしいんじゃないですか!?」 「でもカッコイイし」 涼子… 俺は顔だけか 「さっきからそればっかりじゃないですか」 そうだそうだ 「夜だって満足だったし」 「聞いてませんよ」 いやそれは聞きたいところだ 「すっごい気持ち良いし」 「錯覚です」 何だとぉ? 錯覚な訳ねぇだろ こっちは必死だったんだ 「毎晩じっくり激しかったし」 「今やそんな体力無いですよ」 ある! つーか頑張る! 「大丈夫だよ!まだ40前だし」 「もう不能ですよ」 失礼な まだイケるぞ! 「てゆうかさ…とりあえず訳が分からないから説明してよ天牙さん」 何とも馬鹿なやり取りを止めたのは 息子である希望だった。
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