奇跡はあった

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死んだ人間は一年間別人としてもう一度だけ生を与えられる。 この一年間で天国か地獄か 行き先が決まるらしい。 そして必ずその期間はお目付け役が付いている。 最後に掟は唯一つ。 ‘この世に未練を残さないこと’ これが天牙が話した涼子が目の前に居る理由だった。 「でもその話だとさぁ みことさんがこの世に居るのは13年前の筈だよね? 死んだ日から1年間って事ならさ…」 希望のもっともな言葉に涼子は笑って答えた。 「選べるんだよ。 未来に行ったり 過去に戻ったり 一年間を過ごす場所を選べるの」 微笑んだ涼子 天牙はそんな涼子を横目で見やり そして直ぐにこちらへと視線を戻して口を開いた。 「まぁこれが彼女がここに居る理由です。 因みに生きていた頃に関わった人間と接触する事は特に制限されていません。 ですが我々が人間では無いという事が知られてしまうのははっきりいって予想外。 あり得ない事が起こってしまったようです… これは神に報告を」 「しなくて良いじゃん」
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