5人が本棚に入れています
本棚に追加
俺達は空港に居た。
大阪に行くために。
勇樹、宮根、水元、愛莉、そして俺の姉である沙遊。
琉衣、俺。
7人での墓参り。
もう何回目だろうか?
涼子が死んで13年。
俺達は同じ痛みを抱えて生きてきた。
時に泣いて、喧嘩して・・・
笑い合って。
もう涼子が居ない事に慣れてしまった。
だけど、心の穴は埋められなくて。
いつも気付けばアイツを探してしまう。
どこにも居ない。
分かっているのに・・・
分かっていても・・・
心が求めていた。
‘ずっと一緒だよ’
あぁ・・・そうだった。
心でずっと一緒。
だけど、涼子・・・
お前の声が聞こえない。
お前の顔を見れない。
お前と笑い合えない。
お前に触れられない。
ずっと一緒。
だけどお前は居ないじゃねぇか。
会いたい。
会いたい。
会いたくて・・・
会いたくて堪らない。
「みこと様!!早く来てください。」
「分かってるよ天ちゃん」
「天牙です」
不意に俺の横を通った2人の人物。
俺は一瞬目を奪われた。
「砂那?」
勇樹に声を掛けられて我に返る。
「あぁ・・・悪い」
涼子が居た?
否、気のせいだ。
そんな筈は無い。
2人の方へと視線を向ける。
もうそこには2人は居なかった。
最初のコメントを投稿しよう!