1226人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふっ……ふくちょ……たっ、助けて…………」
「おおおおおっ!山崎大丈夫かっ!!」
「いやあ私の山崎くーん!」
「しゃ、しゃべった……!!じゃなくて、てめえ山崎離せ!!」
「いつからわいはお前んになったんや!!」
「ちっちゃい物は全て私の物!!」
「ちっちゃい言うなー!」
―――――――――――
―――――――――
「うー……いたたたたた…………」
「全身強打してんのに暴れるからだろ。なっ、山崎。」
「副ちょ……この人の目怖い……なんか狙われてるみたいな…………」
「この世のちっちゃくてかわゆい物は全て私の物だから、諦めなさい。」
美幸は、痛かった腕を擦った。が、はたと大切な事を思い出す。
「…………ここ、どこ……?つか誰。」
「あ、そうだった。山崎、幹部呼んでこい。手が空いてる奴だけでいい。」
「じゃあ今日は…………沖田さんと、藤堂さんが空いてます。」
「じゃあ、近藤さんと、山南さんと、そいつら二人。」
「分かりました。」
ああ……っ!私の山崎君がどこかへ…………
って……きっ……気まずっ!!
何この人顔怖いんだけど。笑ってんだけど。
人前じゃ、本性表さないってか。猫被っちゃって。
「ところで……名前は?」
何この優しい声。ぞわぞわするわ。さっき私にてめえっつっただろ。
「柴田美幸」
顔を合わせないようにして、手元を見ながら短く答えた。
「そうですか。私は……」
……さっき叫んでたくせに、猫被るのが遅いっつーの。
「あの。」
「はい?」
何がはい?だよ。
「猫、好きなんですか?」
「……猫?」
「猫被りが大好きなようで。」
―――――ダンッ!
最初のコメントを投稿しよう!