1226人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでしょう……?」
澄ました顔で言ったが、内心はビクビク。
手を私の近くに着いていて、恐ろしい顔が至近距離にいる。
こいつ、いつの間に近くに来たんだ。
「…………上等じゃねえか。生憎この被りもんは重くてね。外させてもらうわ。」
そう言って、その場でドカッと胡座をかいた。
切り替え早っ!ってか、もっと離れてくんないかな……。
気まずい沈黙の後、数人の男が部屋に入ってきた。
「やあ、始めまし……とっ、トシッ!あぐらなんかかくんじゃない!すいません全くなってないもんで……」
「かっちゃん、その必要はねェぜ。」
「なっ……!」
急いで入ってきたかっちゃんという人は、この顔怖い人の言葉に、私と顔怖い人を交互に見た。
「い、いやあ、申し訳ない。なにぶん昔からこんな性格なもんで。あはは……」
「昔から、顔怖かったんですか。」
へえ。ちょっと感心。それじゃ仕方ないわ。
感心する私に、一拍置いて顔怖い以外の男たちは笑いだした。
「いやあっはっはっ!トシ!この方にはトシの顔は怖いらしいぞ!」
え、今までの人は怖くなかったのか。それもびっくりだわ。
「ねえ顔怖い。山崎君は?」
さっきの男たちは、今度は顔怖いに反応して笑っている。
「……おっ……おめェ…………」
なにやら顔怖いは、下を向いてふるふるしている。
あたしのミニマムコレクションはどこ。
山崎君を探して入口付近に顔を向けると、これはまた素晴らしい物を見つけてしまった。
ちっちゃくてかわゆい、今度は白だ。
キラキラした笑顔で笑っている。
「おっ?なんだよこっちみて。」
なんと、見つめていたら、白くてちっちゃくてかわゆい彼は、自ら近づいてくれた。
「あっ……へ、平助危ないっ!」
あ、愛しの山崎君が現れた。この子は平助君っていうのか。
山崎君の言葉に不思議な顔をする平助君の腕を引っ張り、ひっくり返った平助君の首に腕を回して抱きしめた。
痛い……けど、私のちっちゃい物への執着心は負けない。
「ふっ、えっ?わっわわわわわわわわわっ!」
「痛い。」
「あ、わっ悪い……」
山崎君といい平助君といい、やっぱちっちゃいものはいいわ。かわゆすぐる。
ああもう鼻血出そう。
やばい。今なら死ねる。
最初のコメントを投稿しよう!