はじめまして、嘘つきです。

2/22
前へ
/198ページ
次へ
  「……ごめん。あなたとは、付き合えない。」 「……理由、聞いていいかな……」 あなたが嘘の私を好きだからだよ。 「……あなたが、嫌いだから。」 「……そう……俺の勘違い、だったみたい。両想いだと思ってた。ごめんな、今まで付きまとって……」 そう言って、私に背を向けて立ち去った彼。 「ばいばい。大好きだったよ……」 無意識に出たこの呟きが、私には本心なのか、そうではないのかさえ、分からない。 たった今、百回目の嘘をついた私の心は、どうやら腐ってしまったようだ。  
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1226人が本棚に入れています
本棚に追加