テニプリＢＬ短編集

髪の毛＠赤丸＠ほのぼの？

「赤也の髪ってほんとワカメだよなー」

そう言って俺の髪をわしゃわしゃにしてきた丸井先輩。いや、ワカメとか結構傷付くし腹立つけどなんかつい許しちまうんだよなあ。あ、これが仁王先輩とかだったらキレてると思うけど。

「丸井先輩だって寝グセひでーときありますよ？」
「赤也ほどじゃねぇよぃ。しっかしよくこんなになるよなあ。尊敬してやるぜぃ」
「んな…っ！んじゃ丸井先輩もっ」

言い終わったと同時に俺は丸井先輩の髪の毛をぐしゃぐしゃにしてやった。俺と同じような髪になるように、なんて女々しい願いを込めて。

「おい赤也！やめろぃ」

ふと目に留まったのは部室の鏡。そこには、俺までとは言わないがぐしゃぐしゃになった髪の丸井先輩と、相変わらずワカメな髪の俺が映っていた。鏡越しで交わった視線。なんとなくだけど、俺の中で時が止まったような気がした。すると、急に丸井先輩が笑いだした。