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「夢人!…夢人、やんな?」
時間ぎりぎりまで寝て夜まで体を休めようとホテルをでたら、後ろから叫ばれた。
この声に聞き覚えある…亮だ…
「…待ってって!」
走ってきて腕を引っ張られた。
引っ張られるがままに亮の方を向く。
「ふっ、亮はかわいい物が好きなんだ?」
「えっなん、あっこれ?これはな、昨日男の子が貸してくれてんで」
慌てながら理由を説明する姿を見て、何も変わっていない亮に安心もしたが誰か…誰かとその様子がかぶる。
ズキズキ、と締め付けるような頭の痛み。
愛之助だ。誰かはわからないそいつと亮が。
「なぁ、仕事ってなにしてるん?」
「知りたいか?」
「夢人がええなら」
人に自慢して言えるような仕事ではないんだ。危うく自分も死にかけた。
「犯罪プランナーさ。まぁ人殺しとも言うがな」
俺の腕を掴んでていた亮の手がすべり落ちる。
所詮人間なんてこんなものだ。
俺に裏切られたとでも思ってるのか?
教えてしまった以上亮の答え方次第で
罰を、口封じをしなくてはいけない。
それは、できたら避けたいのだが…
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