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「そうですか?
でも、このマンションも気に入ってるんだよな~」
「真琴は心配しなくていいんだよ。
このマンションは引き払わないからね?
いつでも帰って来たらいいさ」
透がそう言うと、真琴は本当に嬉しそうに笑っていた。
それから兄が帰った後、とりあえず身支度をしたりしていた私。
「マコ、とりあえず持ってけるだけにしとけな?」
「はい、わかりました」
しばらくすると、短いリムジンが急接近してきた。
「行くぞマコ。」
「ふぇ?
先輩の家の車なんですか?!」
「話は車内でするから乗れ」
漣先輩はそう言うと、私をリムジンに押し込んだ。
「漣くん珍しいね~
僕を呼んでくれるなんて。」
「だ、誰ですか先輩?」
「執事の遠野だ。
あまり呼ばないんだが、今日は特別」
「そうなんだ~
毎日迎えに行くのにな♪」
「来なくていい」
「つめたーい!
漣くんはそんなに僕が好きなのかい」
「嫌いだ」
遠野さんと漣先輩のやり取りはそんな感じで続き、花咲家に到着しました。
「遠野さん、面白い人ですよね?
なんで嫌ってるんですか?」
「遠野は、俺好きだからだ。」
「ん?
それは執事だからでしょう。」
「違う。
そっちの意味でだ」
「えっ?
もしかしてラブの方面ですか?」
漣はそう聞かれて、こくりとやはり頷くだけだった。
「つまり、遠野さんは男の子が好き?」
「遠野は女だ。」
「へぇ~
女の子だったんですね?
女の子だから…えっ!?」
「女だ。」
「遠野さんは女の子なんですか?」
「うん。
だから嫌いだって言ったんだ」
漣はそう言うと、リンを抱きかかえ撫でていた。
「花咲先輩、さっきからリン懐いてますね?」
「きっと俺が好きなんだなリンは~
可愛い猫様だな」
リンは漣の指をペロペロ舐めていたが、真琴はフッと微笑んで見ていた。
「先輩って」
「どーした、マコ?」
「やはり花咲財閥の坊ちゃまなんですね」
真琴はそう言うと、目の前に建ち並ぶ豪邸を見ていた。
「マコ、細かい事はいーから親父に会わせる。
黙ってついてこい」
「さ、早速なんですね?
私もなぜか緊張してきましたよ」
真琴は緊張してきたせいか、キョドった顔をして俺を見ていた。
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