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「じゃあ、また作ってきますね?」
「うん、待ってる」
漣はそれだけ告げると、読書の続きを始めるので真琴も黙ってその様子を見ていた。
こんな事を4ヶ月ぐらい続けていたある日ー。
漣は真琴と二人で読書をしていたが、ふと本を閉じるとこちらをジッと見ていた。
「島崎さん」
「はい?」
「俺と付き合ってくれない?」
「え?
えっと、何か買いたい物があるんですね?
でしたら…」
「フッ
そうじゃなくてさ?
付き合うってのは、彼女になってって意味なんだけど?」
「…?!」
「ダメなら、別に無理には」
「…本当に付き合うのが私なんかでいいんですか?
恋愛経験値ゼロなんですけど?」
「真琴がいいんだけど?
俺、真琴を彼女にしたい」
「…あ、あの?」
「ん?」
「花咲先輩が軍団から助けてくれた日があったでしょ?
その時から一目惚れしてたんです」
「…!
本当?」
「は、はい?
花咲先輩はいつからですか?」
「真琴が入学してきた日かな?
真琴、裏門から飛び越えてきただろ」
「え?」
「見てたんだけど、怪我してたよな?」
「…み、見ていたんですか?」
「フッ
面白い子だなって気に留めてたんだ」
「…恥ずかしいな、私」
真琴が照れくさそうに頬を赤らめていると、漣はまた真顔でこう言った。
「だから、その日から一目惚れ」
「…私も入学式に女子生徒に囲まれていた花咲先輩を見てました。
その光景が無理してるみたいに見えていたんです」
「うん、無理してたかもな?
でも真琴がここに避難していいって提案してくれたから、落ち着く事が出来てたんだ」
「ふふっ
漣先輩、私達両想いだったみたいですね」
「…俺と付き合ってくれるか?」
「…はい、そんなの勿論です」
真琴がそう告げると、漣はフッと微笑んで嬉しそうにしていた。
それから2年生になった真琴は、今日も元気いっぱいで屋上へと向かっていた。
バタバタバタ!
バァン!
「はぁー
疲れました」
「マコ、お疲れ」
「漣先輩、今日もかっこいいです」
「マコも下着見えてるけど?
まあ、いい眺めだけど…」
「な、ダメです!
漣先輩お弁当持ってきましたよ」
真琴は気を取り直してそう告げると、漣はアスファルトから起き上がると手を引いてくる。
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