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「マコ、食わして」
「ふふっ
漣先輩、またですか?」
「ダメ?」
「…仕方ないですね?
漣先輩、あーんしてください」
真琴が箸で卵焼きを運んでくると、漣はパクっと美味しそうに食べていた。
「美味しいですか?」
「うん、美味い」
「お味噌汁もありますよ?」
「フッ
マコ、料理好きだな」
「漣先輩、美和達も付き合ってるみたいです」
「ふぅん?
やっと付き合い始めたのか」
「まあ、半年前なんですけどね?」
「颯は意外と待つ男だったんだな」
「みたいです」
真琴はフッと微笑んでそう告げると、普通にお弁当を食べ始めていた。
「なぁ、マコ」
「はい?」
「俺たちももう一ヶ月ぐらい経つよな?
デートとかしてみるか?」
「…!」
「マコ、嫌?」
「い、嫌ではないです!
漣先輩…あの…」
「ん?」
「偶には一緒に帰りませんか?」
「…あぁ、そうだよな」
「あ、でも…
まだ女子軍団には付き合ってるのは内緒でしたもんね?
バレたら大変かな」
「嫌?
女子集団には彼女出来た事は言ってある…
まだ真琴だとは言ってないだけ」
「そ、そうなんですか?」
「うん?
つーか、マコ家に来てみる?」
「へ?」
「親父が煩くてな?」
「反対されているのですか?」
「嫌?
“早く会わせろ、連れてこい”って煩いんだわ」
「ふふっ
何か楽しそうなお父様ですね?」
「マコ、生徒会に入らないか?」
「え?」
「書紀係がすぐ辞めてしまってな?」
「あ、でも…
確か副会長さんが何とか言ってましたよね?」
「あぁ。
ちょっと面倒な奴なんだが、考えてくれるだけでいい」
「わ、わかりました!
考えてみますね」
真琴はフッと微笑むと、お弁当を食べ終わったのか紅茶を淹れて飲んでいた。
「マコ」
「はい?」
「キスしてみていい?」
「…へ?」
真琴が呆気に取られた顔をしていると、漣は真顔で顔を近づけてくる。
「漣…先輩?」
「嫌だったら、しない」
「…嫌じゃないですが、したことないですのでサッパリなのですが?」
「マコ、していい?」
「は、はい?」
真琴は緊張気味にそう告げると、ギュッと瞳を閉じると漣はフッと微笑む。
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