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「島崎さん、ごめんなさいね?」
「だ、大丈夫です」
真琴はそう告げると、教師に一言告げてから保健室へと手当てに向かった。
保健室をノックすると、蓮見瑠珈がコーヒーを飲みながら出迎えてくれた。
「し、島崎さん?!
それどうしたんです?」
「ホイップを被ってしまいまして?
後、指も切ってしまいました」
「とりあえず、シャワーを使って下さい?
保健室に備え付けてあるんです」
「え?
そんな設備があるんですか?」
「はい?
無駄にお金持ちな学園ですからね?
タオルをどうぞ?」
「あ、ありがとうございます」
真琴は言われた通りにシャワーを浴びに入ろうとしたが、普通に浴槽まであった。
「バスルームだね、これ」
真琴はビックリしながらもシャワーを浴びると、ホイップは洗い流されてスッキリした。
「瑠珈、今マコの声がしたが気のせいか?」
「ホイップ塗れだったけど、自分でやった訳ではありませんよね?
苛められているのですかね?」
「俺のせいかな、やっぱ」
「漣くんはモテるからね~
女の子達には伝えているのでしょう?」
「彼女が出来た旨はな?
まだマコだってのは知らない筈なんだけどな」
「クラスの子達なら勘付いてしまうかもしれないね?
早めに手を打つべきじゃないかな?」
「だよな、マコ守りたいし」
漣と瑠珈がそんな話をしていると、美和がジャージを持って入ってきた。
「あら?
真琴来なかった?」
「シャワー浴びてますよ」
「あ、そっか…
バスルーム完備されていたわね」
「美和ちゃん」
「花咲先輩、居たんですね?」
「うん?
少し怠かったから寝てたんだけど…」
「真琴の件、見ましたよね?」
「苛められてるのか?」
「多分、そうよ?
でも始まったのは今日が初めてよ」
「そうか…
話し合って通じる相手なら話を聞きたい所だがな?
真琴がどうしたいかが重要だからな」
漣が真琴の意見を尊重したいと伝えていると、真琴はシャワー室でフッと嬉しそうにしていた。
「真琴、ジャージ持ってきたから入るよ?」
「美和、ありがとう?
助かります」
「指は手当てしてもらった?」
「今からです」
真琴はジャージに着替えると、シャワー室から出て瑠珈の前に座った。
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