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「マコ、俺が手当てしてやる」 「…お願いします」 漣が傷の手当てを始めると、美和と瑠珈は気を利かせて出ていった。 「深くなくて良かったけど… マコ、平気じゃないだろ?」 「…うぅ」 「我慢しなくていい」 「漣…先輩ぃ…うぅ」 「マコ、こんな時に不謹慎だけど… ジャージ姿も可愛い」 「グス… 漣先輩も似合ってます」 「フッ マコ、鼻水出てる」 「や、やです」 「フッ ほら、ティッシュ」 「…うぅ…恥ずかしい」 真琴は恥ずかしそうに鼻を噛んでいたが、漣は頭をポンポン撫でている。 「漣先輩、授業は?」 「フッ 怠かったから、休んじゃった」 「大丈夫なんですか?」 「ん、マコの顔見たら少し良くなった」 「私、話し合ってみます」 「ん? 主犯はわかってるのか?」 「はい、わかってます」 「俺も一緒に話をするからな?」 「フッ 漣先輩心配ですか?」 「嫌、マコを守りたいだけ」 漣が真顔でそう告げると、真琴は嬉しそうに微笑んでいた。 それから、放課後になり主犯の二人組みを呼出した真琴達。 「矢島美佳さんに美姫さん… お話があります」 「…な、何で花咲先輩までいらっしゃるの?!」 「君たちが真琴に嫌がらせしていたのは今は置いといて… やっぱり俺のせいなのか?」 「…わ、私達は只」 「ただ?」 「ちょっと羨ましかっただけなんです。 島崎さんばっかり花咲先輩を独占していましたから…」 「俺はちゃんと告白して付き合ってるんだ。 真琴もそれに応えてくれたんだ」 「…花咲先輩が島崎さんを大切にしているのはわかりました。 島崎さんごめんなさいね? 美佳、行きましょう?」 「わ、悪かった。 意地悪してごめん」 美佳はそう告げると、美姫と共に去っていったので真琴はホッと息を吐いた。 「双子なのか、あの子達」 「あ、はい? 二卵性みたいです」 「ふぅん? 結局、羨ましかっただけって事なんだな」 「ふふっ 多分、漣先輩のトコにまた来ますよ」 「ん?」 「ファンじゃないと思いますよ?」 「え? 結局俺が原因か?」 「漣先輩はモテますから、仕方ありません」 「ごめん、マコ! 俺のせいで怪我させた」 「良いんです。 彼女たるものこんなので負けられません!」 「勇ましいな、マコ」 漣がそんな風に感心していると、美和と颯がやってきた。
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