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穂群原高校 校庭
それはまさに人外魔境…人の輪から外れた者達の「戦争」だった。
“強化”した彼女の視力を以てしても捉えきれない速さで繰り出される攻撃は数百に及び、一撃一撃が大量の魔力を放出している為、剣戟がぶつかり合うたび大気が振動する。
そんな赤と蒼の戦いに彼女は正直見惚れてしまっていた。
なにせかつての英雄、英霊同士の戦いだ。
現世にまで語り継がれる程の偉業を成した彼らの攻防は理解の外だが、その荒々しくも洗練された技術で繰り出される攻撃は、まさに芸術と言えるだろう。
ふと剣戟が止み、敵が距離をとる。
「弓兵風情が俺の槍をこうも防ぐとは… テメェ一体どこの英霊だ?」
「貴様に答える義理はないな」
「ハッ、ならさっさと死んでくれやッ!!」
「フッ!」
ランサーの槍の速度が増し、アーチャーは後退を余儀なくされていく。
アーチャーの危機を感じた凛は、手持ちの最高の宝石を取り出す。
「よけてッ!アーチャー!」
「ッ!!」
その瞬間、凛は何の加工もせず、大魔術に相当する量の魔力の塊をランサーに向けて放つ。
「チッ!!」
それを流石は最速のサーヴァント・ランサー。
ぎりぎり躱し、また距離をとった。
「やるなぁ嬢ちゃん…ったく、マスターにまたグダグダ言われんのも癪だ、
早目にけりをつけるか」
そう言いランサーは槍を低く構えると、その深紅の槍に膨大な魔力が集まり、禍々しい殺気が先に収束する。
「まさか…宝具ッ!」
「全く気の早い事だな…下がっていろ、凛」
そして緊迫した空気が続く中…
「ッ!!」
突然ランサーは背後を向き、姿を消してしまった。
「危なかったわね…一体どんな宝具だったのかしら?」
「さあな…だがかなりの殺気だった。確かに危なかったな。」
「それよりどうして急に姿を消したの?」
「目撃者がいたようだな…排除に向かったのだろう」
「なッ…排除ってあんた!」
「何をうろたえている凛、目撃者は排除するのは当然だろう?」
「うるさいッ!早く追って!!」
アーチャーは納得いかない表情のまま姿を消した。
「油断した…まさかまだ学校に人がいたなんて…」
頭では目撃者は排除しなければならないという事は理解している。
だが関係のない人を巻き込んでしまったと考えるだけで怖くてしょうがない。
凛はすぐアーチャーを追った。
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