ある青年の譲歩と懇願

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鏡の前で仏頂面の姫とは対照的に、鏡の中でひたすらニコニコしている(俺呼んで)お嬢。 余談だが、お嬢が姫を「姫」と呼んでも、姫は「お嬢」と呼ばない。違和感があるらしい。 つい最近やって来たばかりの俺が勝手にそう呼び出したのだから仕方がない。 …と、まあ、少し説明をさせていただいたわけだが、問題は何一つ解決していない。 「この縄ほどいてくださいよ…」 「却下」 「だーめ」 俺は今、絶賛困り果てている最中である。 二人とも。悪巧みは構いませんが、そろそろ縄が当たってる腕が痛いです。
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