ある双子の会話

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「はーぁ…」 「何ですか、いきなり」 少し棘のある言い方をして、片割れは此方を向いた。 その、自分と瓜二つの顔を見て、また溜息。 「リゼレット…?」 溜息に少し腹がたったのか何なのか、キビキビとした動きで此方にくる。 「…なんでしょうアミュレットさん」 「言いたいことがあるならば、はっきり言ってください。」 言い方こそ丁寧ながらも、どこか威圧感のある言い方。 一音ずつ区切るのはソレに貢献しているのだろう。 勘だけど。 「じゃあ質問でーす」 「ふざけるな」 言動ともにピシャリと音がした。 しかし挙げた手が痛いのは何事ですか、片割れよ。 目線だけで抗議をすると、上をいく威圧感。 思わず目を逸らす。うん、勝てない。
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