ある双子の会話

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「で、思ったんだけど、私とアンタの何処が違う?」 「…そうですねぇ、」 呆れた顔をして一蹴するかと思いきや、以外に真剣に考えてくれるらしい。 考え込むように軽く俯くと、そのまま固まってしまった。 「…どこが、うーん…」 「…」 「んー…」 「あ、アミュちゃーん…?」 「ねぇ、リゼレット」 顔は考えている様な表情のまま、顔を真っ直ぐに戻す。 首をかしげることで先を促すと、彼女も首をかしげた。 「私と貴女と、どこが同じだと言うんですか?」 服も違う口調も違うそして顔も似ているけどうんたらかんたら。 そんな感じで一通り並べ終えて、でしょ?と訊いてきた。 …確かに、そうかもしれない。 「なんですか、今度は間抜け面して」 「いや、アミュってすごいなぁと」 「何がです?」 「私そこまで発想回らないもん」 尊敬の眼差しで見ると、あのね。と呆れたような声。 「少なくとも、この家の人とMr.プニィはどこが同じかと聞いてきますよ」 「マジ?」 「嘘をついて何になりますか」 なんか、皆すごいと思えてきた。 こんどプラなんちゃらに言い返してやろう。 どこが違うと思いますー?って。 後でどつかれるんだろうけど。 「なんだそーか…」 思わず口角が上がる私を見て、また良からぬことを、と片割れは溜息をついた。
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