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オタクが小さい頃のいじめっ子に重なった。
玄鳥羽学園は、幼等部から大学まであるんだけど…僕は中等部から入学したんだ。
それまでは公立の小学校に通ってた。
この学園だからこそ浮かない僕の容姿も、公立の普通の学校では浮きまくり。
昔はもっと女顔だったから、オカマオカマっていじめられて…
今だったら、やり返す自信が……どうかな、ひょっとしたら怖くて何も言えないかもしれない。
そして、そのトラウマとオタクの台詞が重なってぐちゃぐちゃして気持ち悪い。
耐え切れなくて、ぽたり、涙が零れた。
「え、泣くの?」
「だって、オタクがあ…っ」
キモいって…
「……そんなコテコテ塗りたくらなくても、いいんじゃねーの。素材がいいんだから、お前、親衛隊の前に男だろ。」
「あ…」
そういえば、僕、男なんだっけ。
別に女って思ってたわけじゃなくて、この学園にいると性別はあんまり関係ない感じがして…
「星司も、お前の見た目だけ好きとかじゃねぇから。……大丈夫」
なんだか泣けてきて、やっぱり号泣した。
オタクは、困った顔をしながらも抱きしめて頭を撫でてくれた。
ようやくエレベーターを降りると、鼻をすんすんしながら生徒会室に向かった。
「…大丈夫?」
「うん、」
会長に心配かけないといいけど…
でもでも、泣いてたことに気づかれないのも何だかなあ。
複雑、です。
――ガチャッ…
オタクがノックもなしにドアを開けるから、指に噛み付いてやった。
「ッてぇな。…星司、馬鹿連れてきた」
「樹美、離せ」
「………ヤキモチか?かわいいねぇ」
「……チッ…歩夢、こっちこい」
「ふぇ?」
がじがじと噛んでいたオタクの指を口から出すと、会長のそばに駆け寄った。
「歩夢…」
「…――星司様?」
しばらく視線が絡んだかと思うと、唇を重ねられた。
久しぶりのでぃーぷなちゅうに、くらくらする。
「っはあ、」
ここが生徒会室で、生徒会メンバーもオタクも見ている前だということも忘れて、ちゅうが気持ちよすぎて前が濡れた。
「……ッ…かいちょ、資料作成、は…っ」
これ以上されちゃったら、歩夢、もう立てません…!!
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