突然『がん』はやってきた

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平成22年3月10日 結果が届いてから2日後。 仕事の休みをもらい、病院受診した。 この二日間ほとんど寝れなかった… ウトウトしては『はっ』と目が覚める… 夜中その繰り返し… 目が覚めては3歳と1歳の娘達の顔を見る。 自然とポタポタと涙が流れた… 最悪の事態を覚悟しながら、心のどこかで『間違いであってほしい』と期待しながら受診した。 「愛果さん、お入りください」 診察室に入り、椅子に座る。 少し白髪混じりの優しそうな先生が、結果を見ながら質問をする。 先生「子宮がん検診を受けたのは初めて?」 愛果「いいえ、一年前に受けて異常なしでした。」 先生「何か自覚症状あるかな?」 愛果「まったくありません」 先生「結果はある程度読んでわかっているかな?」 私は静かにうなずく… 先生「詳しい検査をしてみて、もしかしたらがんかもしれないし、そうじゃないかもしれない。細胞診は確定診断ではないからね。今日は内診と子宮の組織をとって調べる検査(コルポ診)、あと腫瘍マーカーというのを調べるのに採血しましょう。まず内診してみるので、診察台に座ってね」 先生は優しい口調で一つ一つ詳しく話してくれた。 診察台にあがる… 先生「じゃぁ内診しますね」 白い天井を見つめながら、カーテン越しの明るいライトで先生の影が見える。 手がガクガク震えていた。 『間違いでありますように』 ずっとそう祈っていた。 先生「子宮をみた限りはこれはがんだよ、っていう状態ではないよ。組織取るからね」 一つ一つ丁寧に声をかけてくれ、安心して検査を受けることができた。 診察終了後、先生から説明がある。 先生「組織診の結果は早急に出して、CT、MRIも撮ろう。今の状態だとがんだとしてもすごい進行してるというわけではないし、手術でとれば大丈夫だよ」 先生の説明で、ポロポロと涙がでた。 手術で取れる…大丈夫… でも、やっぱり私は『がん』なんだな…
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