突然『がん』はやってきた

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病院を出て、車に乗ると涙が後から後からあふれてくる。 不安で押し潰されそうで、『間違いじゃなかった』という現実が襲ってきて、『なんで?どうして?』って思いがあふれてくる。 たった一年でがんは進行しちゃうんだ… 悔しかった。 ちゃんと毎年受けていたのに、浸潤がんまで進行しちゃうんだ… 夫に話さなくちゃいけない。びっくりするだろうな… そう思いながら、電話した。 夫「もしもし?」 愛果「ゴメン、仕事中に。実は今、病院なんだよね」 夫「子供達具合悪いの?」 愛果「違う、私。がんの疑いあるって」 夫「は!?」 愛果「この間受けたがん検診でひっかかってさ…今日精密検査にきたんだ。多分そうだろうって」 涙があふれてくる。 まだ確定ではないだろうけど、がんという言葉を医師から言われると不安になる。 夫「…診断いつでるの?」 愛果「17日」 夫「俺も一緒に行くよ。大丈夫。今、わかってよかったんじゃないか?」 そうだよね… 無料クーポンがなかったら、検診受けてなかったかもしれない。 運がよかったんだ… うん…そう思ったら胸がすっと軽くなった。 きっと私、大丈夫… よくわからないけど、そんな気がした。 母にも報告し、励まされた。 母「弱気になるんじゃないよ。絶対大丈夫。子供達もまだ小さいし、神様が子供達をおいて逝くようにするわけないでしょ。頑張らないとね」 そうだよね… 私は負けるわけにいかない。 子供達が成人するまでは、頑張らなきゃいけないんだ。 負けてたまるかっ!!!
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