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「いってぇ!」
「アっアンタが悪いんだから!」
由宇葉は真っ赤な顔で言う。
俺は殴られた腹をさすりながら鳩尾じゃなくて少し安心していた。
今のパンチは中々強くてびっくりしたが俺も格闘技をやってる以上素人のパンチで一発KOは恥ずかしいものだ。
なんとか立ち上がった。
由宇葉は若干悪かったわねみたいなことを言いそうな表情だがあの性格から考えると言わないのだろう。
会って数分の俺なのになんとなく由宇葉のことがわかった。
気が付くと由宇葉がこっちを睨みながら言ってきた。
「アンタ……名前は?」
「俺か? 俺の名前は及川和音だ」
俺が名乗ると由宇葉は小さな声で和音かぁへぇとか何度も繰り返して言っていた。
顔の赤さもさっきとは比べものにならないくらい赤い。
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