さようなら

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「…笑えませんね」 はりつめた空気が流れる リビングの椅子に座っている彼女は此方を真っ直ぐ見つめていた 「本気だ」 その目は微かに赤く泣いたような後だった なにかあったのか 何も知らない僕でもわかった 彼女と付き合い始めたのは今から四年前 婚約も済んで大学卒業と共に結婚する予定だった ずっと一緒のはずだった そんな彼女からの別れ 「理由を聞かせてください」 「……っ」 少し口を開いた彼女だったが再び口を閉じた
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