さようなら

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僕がいうと彼女はまとめてあった荷物をもって玄関に向かった 去っていく背中をそれ以上引き止めることは出来なかった ガチャンと無機質な音が余計胸を苦しくなった あまりにも突然で 幸せだった日々は終わりを告げた現実に夢なんではないかと錯覚する 渇いた頬に流れる涙はとまらなくて やり場のない怒りを壁を殴ってぶつけた 手から流れる血と痛みは 現実を知らせていて 僕はしばらくその場から動けなかった
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