さようなら

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「か、花月!」 廊下を歩いていたら後ろから彼女が呼び止めた 今さらなんなのだろう 「名前で気安く呼ばないで下さい。鎖神さん」 背を向けたまま立ち止まり彼女を名字でよんだ 「す、すまない…手を怪我していたから」 「今さら、何の関係がありますか?…僕たちは他人ですよね」 「っ…であったな…すまない水無月さん」 「っ」 そのまま僕はその場を後にした 昨日壁を殴った手は包帯をまいてあった それだけで心配ですか どれだけ貴女は残酷なのだろう 期待なんてもってはいけない 許せないけれど まだ貴女を好きな僕がいて ただ名字で呼ばれただけで傷ついた僕がいた
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