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急に視界が暗くなったと言う事は夜だったのだろうか。
「びっくりしました…。
雨が降っていて、外も確かに暗かったですが…
何というか…暗くなった、と言うより何かで目を覆われている感じで…」
その時の事を思い出そうと身振り手振りで説明をする。
しかし、その表情はどこか腑に落ちないと言う顔をしていた。
その様子に遠夜も気づき理由を聞いてみた。
「何か他に思い当たる事などありますか?」
「……あの、こんな事を言って信じて頂けるか分からないんですけど……」
「何でも構いませんよ。
言って頂いた方が私達も調査をし易くなりますから」
確かに隠し事をされるよりは聞いて置いた方が後々にも良いだろう。
その言葉に少し考えこんでからゆっくりとまた良江は話し出した。
「…それが…
その変な感覚になったのが…
私だけで…」
「佐久間さんだけ…ですか?
では、ご両親は?」
「…………」
何かを耐える様にぎゅっと唇を噛む。
これ以上聞くのは酷かも知れないが…これまでの話を聞いて遠夜はある答えに行き着こうとしていた。
しかし、その答えに進むには話を聞かなければならない。
依頼を完璧に遂行する為にも情報は必要なのだ。
改めて話を聞こうとした時―――
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